張線の人力飛行機

その後、「ゴッサマーコンダー」が8の字飛行(クレーマ賞)に成功したと いうニュースを聞き。続いて、同系列の「ゴッサマーアルバトロス」が ドーバー海峡を超える(約35km)と云う快挙を成しました。

日大人力グループは揚抗比の大きなグライダータイプが最良だと信じて 疑いませんでした。
当時英国で飛んでいる「サンパック」「パフィン」「ジュピター」等も揚抗比の大きな グライダータイプですし、グライダータイプを軽く作って、プロペラを 付けたのが人力飛行機の理想形と考えていました。小美濃も全く同じ考 えでした。

しかし、アメリカチームは、構造や形、利用レイノルズ数等、全く違う 飛行物体をデザインしました。

当時世界記録を持つ、我が「ストーク」をまるで無視するように、共通 点や真似が全く感じられませんでした。

「ゴッサマーガル」は必要馬力を最小にする極限設計をしました。 そのためには、揚抗比や飛行速度を引き換えにしたようです。

結局、日大人力グループが考えもしなかった、昔の飛行機のよう な、張線の飛行機を作り出しました。
しかし、構成材料は、強化プラスチックの骨組みに発泡プラスチック、高分子 フィルムを多用し、最新の素材をふんだんに使っています。

後で言うのは簡単ですが、この考えは全く基本通りで当たり前のことで すが、この割切り飛行機を見た時は、正直、衝撃を受けました。


ゴッサマーシリーズ