ゴッサマー |
「ストーク」が記録を作った同じ年の初夏、小美濃はカーオーディオの技術協力で、アメリカのRCA社 に滞在していました。
場所はノースカロライナ州のアッシュビルと言う小さな町で、アトラン タから航空会社ピードモントのYS11で飛びました。アメリカの奥地で純 国産機(YS11)に乗れるとは思いもよりませんでした。
アッシュビルはほんとに小さな町で、車で15分も走ると郊外に飛び出し てしまいました。もちろん、日本料理など望むべくも無く、ステーキやハンバーグに飽きた時には 一軒しかない中国料理店だけが救いでした。チョウメンとかロウメンが好物でした。
日本人は一人だけかと思っていたら、1ヶ月も経った頃だったでしょう か、RCAの工場の人が「この町にもう一人日本人」がいると教えてくれま した。しかし、すれ違いばかりで結局会うことはできませんでした。
ノースカロライナ州と言えばあのライト兄弟の「フライヤー」が最初に
飛んだキティーホークも同じ州です。
1度行ってみたいと思っていたのですが、何時でも叶うと思っているうちに、時間だけが経って、ついに訪問できずしまいでした。
ちょうどサマータイムの時期で、時間を持て余していただけに、
今、考えると大変残念なことでした。
サマータイムですので、仕事から帰ってもまだ明るく、モーテルのプールでひと泳ぎし、買い置きの「クアー ズ」を飲みながらテレビを見るのが日課でした。
そんなある日、なんと「ゴッサマーガル」の記録ニュースを見まし
た。大きな主翼と張線の人力飛行機は悠然と楽に飛んでいました。
半年前に打ち立てた、我が「ストーク」の世界記録はいとも簡単に、
この張線の人力に更新されてしまったのです。衝撃でした。
「ゴッサマーガル」の後継「ゴッサマーコンダー」