FRP

木と紙と糸で出来てる人力「ストーク」にも複合材料を使う計画が ありました。
既に、FRPはかなり一般的になっていましたが、航空機用としては、翼 端等の整形用に使われる程度で、まだまだ新素材の範疇でした。

日大人力ではプロペラ素材(イーグレットではカーボンを使用)として早 くから採用されましたが、その他の強度部材としては使われた実績はあ りませんでした。(ノーズコーンや翼端、スピナーに使われたのはポリ エステル樹脂だけで、ガラス繊維やカーボン繊維に含浸させたものでは ありません)

ただ、日大理工学部はFRPに対する研究は熱心で、オールFRPのグライ ダーが製作されたこともありました。自分の記憶では、格納庫裏の木製 トレーラの脇にあった主翼のメス型の移動をお手伝いした覚えがありま す。しかし、このグライダーに関する資料はほとんど現存していないよ うです。幻のグライダーでしょうか。

さて人力で複合材を使う計画ですが、主翼のDボックスをFRP化を 考えました。しかし、必要強度から算出するとあまりにも薄肉となり、 挫屈性能等を考慮すると現実的ではありませんでした。結局計算だけに 終りました。

一方、プロペラスタンドの強度部材として使う計画が持ち上がり、計算 すると 現実的な寸法となりました。構造は一般のDボックスと逆に最大厚より 後縁側をDボックスにする形態を考えました。

これは、単桁の位置より前方が主翼桁と干渉されるため後縁側だけで曲 げねじれを受け持つ構造にしなければならなかったためです。
早速設計図面通りに木型が作られました。木型製作は冨さんにお願いし ました。

このようにして立派な雄型ができたものの表面処理や雌型を作る時間が 取れず、結果としては、時間切れで、在来工法に戻りました。スプルー スフランジにバルサウエブのボックス構造(主翼と同じ構造)です。

習志野の格納庫で、プロペラスタンドの木型が放置されていたのを見た 方もいらっしゃるのではないでしょうか。


「ストーク」のサドルはFRPでした。


プロペラスタンドは型まで作るが、時間切れでFRPを断念。