これはずーと後に聞いたことですが、「リネット1」が、日本で始めて (世界で4番目)飛んだ日、木村先生は滑走路上で飛び上がって喜んだそう です。(1966年2月27日)
翌日の新聞記事に「木村教授は人力飛行機より高く飛んだ」と書かれた と、たしか木村先生から直接お聞きしたかと記憶します。

日本最初の人力パイロット、岡宮宗孝先輩のお話です。
リネットには速度計が付いてませんでしたので、後続の伴走車 が離陸速度の２５Kmに達したことをクラクションで教えてくれる事 になっており、その合図とともに離陸操作をしていました。ま た、木村先生も”今回の飛行はジャンプではなく定常飛行です”と 明言しておりました。

その後「リネット1」は1968年にミラノトリエンナーレ展（3年おきの工 芸／建築を中心としたの国立の展覧会）に出品されました。 ただ残念なことに、会期後　梱包されたままトリエンナーレの建物の倉 庫から消えてなくなり、混乱した状況下で、結局わからなくなってし まったそうです。

「リネット1」の飛行(1966年)。43mのフライトでした。
"提供　所沢航空発祥記念館"