製材の保管と乾燥


航空機用木材はスプルースが一般的ですね。(ベニヤについては項をあらためます)

スプルースは乾燥器から出てきたらすぐに小口にペイントか紙を張ります。これは水分が小口か ら進入するのを防ぐためと割れを押さえるためです。

保管は場所の関係から材木屋さんのように立てかけることが多いですが、できれば横にしたい ものです。二本の馬の上に乗せるような保管はかえって癖を付けてしまいます。
定尺4mを平らに置くのは大変ですが、長いテープルを用意し、平均に浮かせて置くのがベストです。

乾燥器から出たては面同士を密着させないようにします。面の呼吸はあまり無いようです が、数cm角の棒を7〜8本使って浮かせます。
箱屋さんのように隙間を開けて縦(厚さ面を下)保管も良いでしょう。場所があれば井げたを組んでも 良いでしょう。

含水率は12%以下が基準です。10%位まで落としたものを保管したほうが安定した材料となります。 (乾燥不足は自然乾燥では補完できない!! 自然乾燥では15%が限度!!)
含水率は次式によります。
(試験体重量-全乾重量)*100%/全乾重量
全乾重量:100度の乾燥器で恒量に達したと認められた重量

木材の膨張は切線方向に最大のため木取は正目(2方)が原則となります。(反りが出難い)
芯に近い部分は赤色化しますが、この見方は大変難しいです。明るい赤(ピンク)は使用可ですが、 黒みかかった赤は使用しない方が無難です。このような色があれば、念の為、他の保管材料との接 触を避けてください。爪を立ててグッと入るようであれば、廃棄したほうが良いと思います。

せっかく乾燥した良い材料です。室内で大切に保管し、時々組みかえる位の配慮は必要です。