萩原久雄さんはグライダーの設計や、JEAA(日本自作機協会)の役員等のご活躍で有名な方で
す。小美濃も何回かお会いし、色々とお教えいただきましたが、「ラムジェットヘリ」の設計をされたのは知るものの、何故か話題になったことはありませんでした。
すっかり忘れていた「ラムジェットヘリ」の実機に「科学技術展示館」で出会え、大変な驚きでした。
写真では判り難いですが、ロータ端にラムジェットエンジンが配置され、この推力で回転力を得ます。ロータ径7.5m。
赤い燃料タンクと右にオフセットされた操縦席。手前に方向操縦(ラダーペダル?)、青いスティックは回転軸に直結され、回転面をダイレクトに操作します。
左手の黄色いレバーはコレクティブだと思います。
ロータ端のラムジェットエンジン。直径およそ20cm程でしょうか。
ラムジェットエンジンを正面から見ました。放射状のフィンの裏が燃焼室です。
燃焼室と噴気孔です。細いパイプは燃料供給ノズルでしょうか。
方向操縦用テールロータ。重りでバランスを取った、1ブレード方式で、ピッチコントロール機構を簡略化しています。
「ラムジェットヘリ」は直接回転翼が駆動されるため、一般のヘリの様にトルク補正のテールロータは必要ありません。
その為、この方向操縦用ロータはピッチ0度近辺を中心に変化させ、面積も小さくなっています。
エンジン始動の為の機構と思われます。手前のきり込み付きパイプから回転力を与え、
ラムジェットエンジンの始動速度までロータを加速すると考えられます。
アメリカ製のラムジェットヘリコプタ。(参考)
ラムジェットヘリコプタ「リトルヘンリー」。(参考)
ポーランド製のラムジェットヘリコプタ「ギガント2」。ロータ付根は燃料タンク。ロータ径4.2m。(参考)
萩原久雄さん設計製作のホバークラフト「HCX-1」。(1960年)
エンジンはマーキュリー8馬力×2。(参考)
同じく萩原久雄さん設計製作のUコンオートジャイロ。(1953年)
エンジンは塩谷19。(参考)